精工舎 スリゲル十七號 硝子製振り子 昭和10年代【W336】

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    振り子室

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    硝子製の振り子玉とボン針台

精工舎の小型の柱時計『スリゲル十七號』、昭和10年代に製造された物です。
明治25年創業の精工舎(現セイコー)は国内で現存する最古の時計製造会社です。
同社では長い歴史の中で様々なタイプの柱時計や置時計・腕時計等を製造されています。

こちらの柱時計は「座敷時計」とも呼ばれる小型の柱時計の中の『スリゲル十七號』というタイプです。
※「スリゲル」とは、縦長の長方形の本体の正面の扉部分が大きな一枚の硝子窓になっていて、本体の上下に擬宝珠(ぎぼし)等の装飾が入り、さらに側面にもムーブメント(機械)が見られる硝子窓が入った柱時計のタイプの一種です。
スリゲル型の中でも小型の物は大型の物に比べて擬宝珠や彫刻等の装飾や側面の窓が無い等シンプルなデザインの物が多いようです。

本体の上部に屋根の庇のような装飾が付いた『宮型』と呼ばれるタイプの柱時計で、正方形の文字盤に中抜きされた意匠の長短針が相まってシャープで洗練された雰囲気の一品です。

大きめの文字盤はデザインもシンプルで、時刻の視認性もとても良いです。

振り子室の窓には格子状にカットラインが入り、振り子が左右に動く度に玉(円盤状の重り)に反射した光が映り込んでチラチラと光ります。
文字盤は純正のデザインを忠実に再現した再生品に交換してあります。

また、こちらのムーブメント(機械)は振り竿の軸が中央から向かって僅かに右側にあるので、振り子を掛けると中央から向かってやや右側に振り子の玉が来ます。
それこそがムーブメントを換えられる事なく、オリジナルのまま残っている証拠です。

特筆すべきは振り子の玉とボン針台が硝子製である事です(画像5枚目)。
これは戦時下の統制経済のもと、民間からの金属供出が始まった頃にそれまでの真鍮や鉄の代用品としてアルミ等の別素材を使用したという、当時の時代背景を今に伝えています。
金属製と比べて硝子製の振り玉・ボン針台は落下や経年劣化で破損しやすい為、ひび割れや欠けの無い綺麗な状態で残っているのは稀だと思います。

時打は正時(0分)の時刻の数、やや高めの「ゴーンゴーン」というよく響く音色で鳴ります。

各部に経年による傷や背面の補修跡等の痛みは見られますが、目立つような大きな傷や割れ等は無く、全体的な程度としては比較的良い状態だと思います。

分解整備済み、振子・巻き鍵も付属します。
精度は季節(気温)やゼンマイの巻き始めと解ける寸前でも変わりますが、きちんと調整すれば平均して±0から2分以内/日で稼働しますので、充分日常的に使用する事が出来ます。

サイズ/高さ:約47cm 幅:約24.5cm
    奥行:約12.5cm (いずれも最大部)

価格:0

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