Bentima Clock社は1935年に創業（Anvilから社名変更）されたイギリスの首都ロンドンに在った時計製造メーカーです。
木製のマントルクロックが有名でしたが、第二次世界大戦後は輸入販売専門の業者となり、1948年には製造拠点をスイスに（※1960年頃に会社自体も）移転しました。

文字盤上部に『Rondis』の名前があるこの置時計は、同社がまだイギリスに在った頃の初期の製品で、文字盤の下端に「MADE IN ENGLAND」、背面に「MADE IN GT.BRITAIN」の文字があります。

文字盤の中央部分には花の刺繍が施してあります。

おそらく後年にその部分を保護する為にビニール製のカバーを着けたようで、そのおかげで糸の汚れや退色も全く無く、当時のままの鮮やかでとても美しい状態を保っています。

刺繍部分の周囲はリング状に膨らみを持たせた上でゴールドの薄いプレートでインデックス（数字）が取り付けられ、デザイン状のアクセントになると共に、時刻の視認性もとても良いです。

本体も枠部分から球状の脚に至るまで、刺繍に合わせて植物の葉をモチーフした非常に細かい装飾が施されています。

各部に経年に寄る細かな傷やペイントロス等の痛みはありますが、目立つような大きな傷や凹み・割れ等は無く、全体の程度としてはかなり良い状態だと思います。